Oct 19 2009
“バンクーバー国際映画祭”を通して得たもの
10月1日から16日までバンクーバー市内のあちこちの劇場で開催された「バンクーバー国際映画祭」。
毎年映画祭のプログラムの一つとして映画製作者のためのフォーラムが開かれるのですが、今年は現在自分がドキュメンタリー映画をプロデュースしていることもあって、ドキュメンタリーの監督や製作者のディスカッションに多く参加して来ました。彼らの製作過程における様々なエピソードや技術的なチャレンジなどを知り、改めて自分のプロジェクトを見直す良いきっかけになりました。
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最終日に駆け込むように見に行った作品はスイス/フランス合作のドキュメンタリー映画「Dirty Paradise」。
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http://dirtyparadise.net/
南米のフランス領ギアナに住む先住民(ネイティブ・アメリカン)のワヤナ族の話です。
ここでは「金」が採れるので、国境を接しているブラジルとスリナムから違法の密掘人が押し寄せ、金と泥を分離させるために年間5〜6トンもの「水銀」を川に垂れ流しにしています。
そして、そこで暮らし川の魚を主な食料として生きているワヤナ族の人達に「水俣病」と同じ症状が出ているのです。
彼らは様々な組織に助けを求めフランスのサルコジ大統領にも手紙を書きましたが、まともな援助はいまだかつて得られず、多量の水銀に汚染された魚を食べた子供達は今もなお苦しみ続けています。
少数の弱い声が届きにくい、届いても無視されてしまう人間社会。
ワヤナ族のために今すぐに私がここで出来ることは思いつかないけれども、私の周りで起こっていることに目を配り行動を起こす事はできる…。
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映画を見た次の日、ダウンタウンは朝から雨だった。
道端で雨に濡れながら座っているネイティブ・アメリカンのホームレスの男の人に、私は自分がさしていた傘を差し出した。
彼は一瞬何が起こっているのか分からないといった当惑した顔で私を見上げた。
「It’s for you.」
と言って傘の握り手を渡すと、やっと状況がわかったみたいで満面の笑顔で「Thank you, Thank you!」と、歩き去る私の方を振り返ってまで何度も繰り返していた。
その30分後、バンクーバーにはめずらしく熱帯のスコールのような雨が突然降り出した。
家の窓からその雨を眺めながら、バンクーバーにいるホームレスの人達のことを考えていた。
バンクーバーに住むネイティブの人口はわずか2%にしか満たないのに、ホームレスの32%はネイティブであるという現実を…。
