エレファントビーチ便り

Jun 26 2009

ロバート・ピクトン裁判

6月25日。

早朝から冷たい小雨の降る中、ダウンタウンにある裁判所へ向かった。

ダウンタウン・イーストサイドで行方不明になっている69名の女性の内、26名の命を奪ったとして裁判にかけられているロバート・ピクトン。(その内の6名は立件されたが、残り20名はDNAは検出されたものの証拠不十分で取り下げられている)

ドキュメンタリーの撮影を通して出会って以降、私の事を信頼してとてもかわいがって下さっている被害者の妹、Sさん。

彼女に付き添って、裁判所の中にある被害者家族のために用意された部屋に入っていった。

その部屋で検事から聞かされた判決は家族にとって納得いくものではなかった。

涙ながらに訴える被害者の家族達の思いを痛感し、Sさんの隣で彼女をサポートしていた私も涙が止まらなかった。

検事も非常に沈痛な面持ちだった。

裁判所の外では、カナダ全国のメディアが今か今かとその結果を報道するために待ち構えている。

被害者の家族達は涙を拭ってカメラの前に立ち、それぞれの思いを語った。

逮捕から7年。被害者の家族にとってどれだけ長く感じたことだろうか…。そしてその悲しみと葛藤はまだこの先も続いて行く。

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Jun 24 2009

「Mona」の公開

ドキュメンタリー映画”The Exhibition”のサブジェクトとしてカメラで追い続けているアーティスト「Pamela Masik」が6月23日にGastownにおいて、69名のMissing Womenの中で一番最初に描いた作品「Mona」を公開。

「Mona」の前でスピーチするPamela。

会場には朝からメディアが駆けつけ、カナダ全国の新聞やテレビ・ラジオはもちろん、アメリカのワシントンポストまでもがそのニュースを伝えました。

http://theforgotten.ca/forgotten.cfm?page=press

このイベントはダウンタウン・イーストサイドの女性の為のシェルターをサポートするためのファンドレージングとして行われたものです。

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Jun 21 2009

ドキュメンタリー映画 “The Exhibition”

今月の始めにオファーをいただいたき、ドキュメンタリー映画“The Exhibition”でプロデューサーとして働き始めました。

この作品はこれまで私がプロダクション・デザイナーとして3本の作品で一緒にお仕事をさせていただいたDamon Vignale監督の最新作です。

Damon Vignale監督は、監督/プロデューサー/脚本家としてバンクーバーをベースに活躍していて“The Little Brother of War”“The Entrance”など受賞歴を持つ才能溢れる人物です。これまでテレビや映画でフィクションの作品を手掛けてきましたが、実は3年前からあるアーティストのプロジェクトをカメラで追い続けています。

アーティストの名前は「Pamela Masik」。

ダウンタウン・イーストサイドで行方不明になった69人の女性の顔を巨大なキャンバスに描き続けていて、この3年がかりのプロジェクトが今年の秋に完成する予定です。

ダウンタウン・イーストサイドというのは、バンクーバーで一番古い歴史を持つエリアなのですが、ドラックの売買が公然と行われ、麻薬中毒者やホームレスの人達で通りはいつも溢れています。

昨年の調査によると、659名のホームレスの人達がこのエリアに住んでいて、その内の276人はシェルターに入っていますが、383名は道端で暮らしていることが明らかになっています。

(バンクーバー出身のフォトジャーナリストが撮ったダウンタウン・イーストサイドの写真です。http://www.wendellphillips.com/vancouver/default.asp

 

昨年新しい市長が選出され、ホームレス問題に積極的に取り組み始めましたが、バンクーバーで暮らす多くの人は、ダウンタウン・イーストサイドが抱える問題をどこか遠い国で起こっていることのように感じているのが現状です。ダウンタウン・イーストサイドが抱える問題は非常に根が深く、一朝一夕で解決できるものではありません。

アーティストのパメラは、69名の行方不明になった女性を巨大なキャンバスにリアルに描き出し、人々の目をダウンタウン・イーストサイドに向けさせようとしています。

彼女が描く女性の姿は、非常に痛ましい衝撃的なものです。

このプロジェクトが一般に公開される時には、様々な反応が起こることは間違いありません。

(パメラのプロジェクト“The Forgotten”のサイトです。http://www.theforgotten.ca/

 

ドキュメンタリー映画“The Exhibition”は、パメラの3年に及ぶプロジェクトを追いかけつつ、様々な人の立場からダウンタウン・イーストサイドの現実に目を向けるとともに、アジア・北米・南米・ヨーロッパをはじめ、世界中の「議論を巻き起こしたアーティスト達」を取材し、一つのアートが人々の価値観を根底から揺るがし、世論を動かし、世界を変えて来た歴史を探求して行くというものです。

人々を感動させて考えさせて影響を与える映画を作りたいと常々考えてきた私にとって、この非常に意義深い作品にプロデューサーとして関われる事はもちろんのこと、才能溢れるDamon Vignale監督と共同でプロデュースできる事はこの上ない喜びです。

これまで関わってきた作品の中でも最も大掛かりで長期に渡るプロジェクトになるので、しっかりと気を引き締めて一歩ずつ前進していきたいと思います。

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May 11 2009

LEO AWARDS 2009 の授賞式を終えて

5月8日と9日、2日間に渡って開かれたLEO AWARDSの授賞式。

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この春一番の晴天に恵まれてとても清々しい気持ちで、夫と一緒にダウンタウンのコールハーバーにあるWestin Bayshore Hotelへ向かいました。

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会場は数百名の映画・テレビ関係者でいっぱいで、ワインを手に会場の中に入って行くと、さっそく他の作品にノミネートされている知人をみかけて、お互いに顔を見てノミネートおめでとう!って言えてとても嬉しかったです。

そして決められた席へ進んで行くと、偶然にも隣には以前私が長編映画でプロダクション・デザインをした時の主演男優Michael Eklundがいて、久々の再会にさらに大喜び! 

(授賞式でプレゼンターを務めるMichael)

撮影監督や、コスチュームデザイン、メークアップ部門などの受賞者が次々と発表され、いよいよ私がノミネートされているプロダクション・デザインの部門に。

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自分の名前と作品名がスクリーンに映し出されてアナウンスされるとともに、映画の一部分が紹介された時は、本当に胸がいっぱいになって言葉が全然でて来ませんでした。

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ノミネートされただけで本当に嬉しかったので、全く期待はしていなかったのですが、それでもプレゼンターが封筒をあける瞬間はちょっとドキドキしました。

というのも、受賞するかどうかよりも、「もし名前を呼ばれたら、スピーチしないといけなくなる」というプレッシャーの方が大きかったんです(笑)。

他のノミネート作の中に息を呑むほど美しいプロダクション・デザインをされた作品があって、「間違いなくこの作品だ!」と思ったら、やはりその映画がプロダクション・デザイン部門はもちろん、作品賞、脚本賞をはじめ各賞を総なめにしていました!

その瞬間、今自分がプロデューサーとして関わっている映画のことを思い、『来年は作品賞を受賞できるよう頑張ろう!』という気持ちが湧いてきました。

こうして映画・TV製作の最前線で活躍されている方々と一緒に、この1年間のそれぞれの功績を称え合う素晴らしい場に参加できたことを心から有難いと思いました。

 

最後に、いつも私をサポートし続けてくれている夫と、日本で私の夢を信じていつも励まし支え続けてくれている両親と家族に心から感謝したいと思います。

本当にありがとう!これからも頑張ります!

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「バンクーバー経済新聞」が今回のノミネートについての記事を書いて下さいました!こちらも是非ご覧下さい♪

バンクーバー経済新聞: http://vancouver.keizai.biz/headline/561/

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Apr 07 2009

”LEO AWARDS”にノミネートされました!

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http://www.leoawards.com

カナダ・ブリティッシュコロンビア州の映画及びテレビ制作者の功績を称えるLEO AWARDS。

2009年度のショートフィルムのカテゴリーで、何とベスト・プロダクションデザインにノミネートいただいたんです!

女優の友人から携帯電話に「ノミネートおめでとう!」というメッセージが入って来て初めて自分が選ばれたことを知り、LEO AWARDSのウェブサイトをチェックして

The Nominees for Best Production Design in a Short Drama are…


Miho Yamamoto - Conversation with the Supplicant

と、自分の名前をリストの中に見た時には本当に息が止まりそうでした。

5年前に誰ひとり知り合いのいないカナダに身一つでやって来て、「フィルムメーカーになる!」という夢を実現するために必死で頑張って来ました。その夢が形になって評価されたことが本当に嬉しく、先輩のフィルムメーカーの皆さんと一緒に授賞式に列席させてもらえるだけで本当に感無量です。

これからも一歩ずつ、常に学びの姿勢を忘れずに心を込めて映画作りに集中していきたいと思います。


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Mar 22 2009

Radio Nipponで作品紹介

3月22日日曜日。

朝から春らしい青空が広がる中、とっても清々しい気持ちでRadio Nipponのスタジオにおじゃましました。

私が関わっている短編映画とドキュメンタリー映画の2本の作品について生放送で色々なお話をさせていただきとても嬉しかったです。

番組ホストのひげタムさんとKotoeさんの”阿吽(あうん)の呼吸”のトークに仲間入りさせていただき、打ち合わせも殆どしていないのに私がこの作品について説明したかった部分をしっかりと引き出して下さって、お蔭様で日系コミュニティの皆様にお伝えしたかった事を心置きなくお話することが出来ました。

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(写真左から:山本美穂、Kotoeさん、ひげタムさん)

日本にいる頃に福岡で7年程ラジオのお仕事もさせていただいていたのですが、カナダに来てからは完全に離れてしまっていたので、約5年ぶりの生放送にすごくワクワクしました! やっぱりラジオっていいですね♪ ラジオはリスナーの方々と出演者の双方にとって「温かい」メディアだとつくづく感じます。 

今はインターネットの発達の影響と生活スタイルの変化により、テレビもラジオもそのあり方を見直さざるを得ない状況にきていて、先週もシアトルで146年間続いた新聞社が印刷を止めてインターネットのみの発行に切り替えたニュースが報道されていました。時代の流れなので仕方がないとは分かっていても、古き良きものが無くなって行くのを見るのは寂しいものです。

バンクーバーで唯一の日本語生放送ラジオ番組「Radio Nippon」。これからも時代の波に上手く乗りながら末長く日系コミュニティに愛され続けることを願っています。

ひげタムさん、Kotoeさん、今日は本当に楽しかったです。またいつか機会があったら2本の映画の近況報告に伺わせて頂きたいと思います。

★☆Radio NipponはAM1320/CHMBで毎週日曜朝9時〜11時にオンエアーされています♪

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Jan 23 2009

「ヴェターラ」シリーズ クランクアップ!

サイエンスフィクション映画「ヴェターラ」の撮影で、12月からすっかりご無沙汰してしまいました。

今回はプロダクションデザイナー(美術監督)として参加しましたが、クリスマスもお正月も返上で頑張って準備を進めたおかげで、1月3日のクランクインから全て順調に運び、いい映像をおさめる事ができました。

監督やプロデューサー、助監督、特殊メイクチームなど、過去に何度か一緒に仕事をしたことのある顔ぶれが揃っていたこともあり、現場は久々に家族が再会したような雰囲気でとても楽しかったです。

(銃の密売人役のリハーサル風景)

バンクーバーはこの冬”記録的な寒さ”で、普段は平地ではあまり雪は積もらないのですが撮影が始まった頃は見渡す限り一面の銀世界で、映像にいい形で味を加えてくれました。さらに、映画のラストシーンを撮影した日は、まるでサンフランシスコのような濃い霧に覆われていて、工業地帯と港に漂う不気味な霧が素晴らしい演出効果を出してくれました。

映画の撮影ではスモークマシーン等を使って霧や煙を人工的に作って雰囲気を作ることはしょっちゅうあるのですが、ダウンタウン全体を覆うあれだけの霧を用意しようと思ったらどれだけ予算があっても足りない所だったので、自然の力が一番肝心な時に味方してくれてクルーはみんな大喜びでした。

「ヴェターラ」は、9つの短いエピソードに分かれたシリーズものの映画で、インターネットで順次公開される予定です。

ネットが人々の生活の中にしっかりとその根を生やし続けている昨今、映画のマーケティングもインターネットとの密接な繋がりを無視できない状況に来ているのをひしひしと感じます。

作品が公開されたら、また具体的な撮影裏話なども書いていきたいと思います。

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Nov 12 2008

Victoriaの建築美

ブリティッシュ・コロンビア州の州都であるビクトリアを訪れました。

ガラス張りのビル群が立ち並ぶバンクーバーのダウンタウンとは全く趣きが違い、ビクトリアのダウンタウンはイギリス植民地時代の影響を色濃く残し、街のあちこちに歴史の香りが漂っています。

今回初めて州議事堂の中に入ってみました。

設計したのは、当時イギリスでたった1つのプロジェクトしか完成させた経験のなかった25歳の若い建築家。

完成時には予算を大幅にオーバーしてしまったらしいのですが、この州議事堂の美しさで突然有名建築家になってしまったその人物は、その後、斜め向かいのフェアモント・エンプレス・ホテルをはじめ、バンクーバーやバンフにあるフェアモントホテルなど、次々と大きなプロジェクトを手掛けていったそうです。

(フェアモント・エンプレス・ホテル)

最近、新しく電球を取り替えたらしいのですが、その時に電球の数を数えると全部で「3600個」だったそうです。この美しさの裏には、そんな地道な苦労もあるんですね ♪

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Oct 25 2008

ハロウィーンの足音

近所のベーカリーで夫が買って来てくれました。

あまりに可愛かったので、パチリ♪

バンクーバーの街では今、あちこちの家でハロウィーンの飾り付けや仮装用の衣装を買い求めている人達を見かけます。今夜はコマーシャルドライブというエリアで仮装した人達が街を練り歩く”Parade of the lost souls”も行われますよ♪

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Oct 18 2008

映画漬け

来月に撮影が予定されているプロジェクトにクルーとして参加することになり、今朝ディレクターと打ち合わせをしてきました。

ストーリーやカメラワーク・照明など、どの様なスタイルの作品になるのかを、ディレクターが過去の作品を例に挙げて細かく説明してくれたのですが、その中に数本見た事がない作品が含まれていて思わず反省してしまいました。『最近”映画漬け”になってなかったなぁ』って…。

日本にいる時には年間300本以上、多い日は1日3本の映画を立て続けに観たりしていました。メディアで働いていたのでプレス向けの試写で多くの作品を観させていただく機会があった事もありますが、それ以外にも映画館やレンタルビデオ店にコンスタントに足を運んだり、映画通の友人達から大量にDVD を借りてどっぷり映画漬けになったりしていました。

最近観る数が減少していたことに気づいて、まさに今月の始めに「テレビはニュースを見るだけで、1日1本は映画を観るぞ!」と思い立って、毎週末に映画館で最新作を観て、平日はDVDをレンタルすることを実行し始めた矢先の出来事で、今日はディレクターに観る事を薦められた作品をその足でレンタルして帰ってきました。

「作る立場になったら映画がイヤになるかもよ」と、昔友人に言われたことを思い出しますが、今の所、映画漬けになる瞬間は私の至福のひとときです。

DVDの穴から覗いた今日のバンクーバー。気温は10度、晴れてるけど寒〜い!

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